ブルーグラス新入荷
SH-3929 CARL JACKSON『Songs of the Soth』CD\2,750-
Earl's Breakdown/Keep on the Sunny Side/Home Sweet Home/On My Mind/You Are My Flower/Ground Speed/Reuben 他全16曲
遂に出ました!カール・ジャクソン究極のスクラッグス・スタイル・バンジョー集『Banjo Man』(1980年)の全曲!と、そして続く『Song of
the South』(1982年)からの4曲。カーター・ファミリー・ソングの美しさ(Keep on the Sunny
Sideではシャロン・ホワイトとの絶妙のデュオと転調リードの妙)など、歌ものでは凄いセンシティブなギターも聞かせる。最後の曲"Banjo
Man"では、アール・スクラッグスへの想いが胸を打つ。恐らくほとんどのバンジョー弾きが通ったであろう、心情を見事に歌い込んでくれる(涙なくしては聴けないゾ=つくづく、オリジナル・ジャケットで出して欲しかった!)。もちろん、主役は、目をおおうばかりのスクラッグス的緊張と、愛情に、超スーパーバック(バッサー・クレメンツが凄い、ジェリー・ダグラスのアンクル・ジョッシュぶりも秀逸、マーティー・ステュアートのマンドリンはいつまでもローランドなんだなぁ)が絡んで、痒いところに手の届く、ディープなバンジョー。他に、エミルー・ハリス、ジェシー・マクレイノルズ、キース・ウィットリーらがゲスト。「決してコピーではない完全コピー」とでも言おうか…。10代の頃は驚異的な、メロディック&クロマティックでバンジョー界を驚かせた彼、その本質は、多くの人と同じ、アール・スクラッグスのディープな解釈にあるのだろう。素晴らしく、暖かになるアルバムなのである。アール・スクラッグスに捧げられたアルバムの中では、私個人的に、最も好きな作品です。
PC-1102 JIM HURST & MISSY RAINES『Two』CD\2,750-
Small Southern Town/How Long Must I Wait for You/Two Funky for Rhythm/Fields of Carolina 他全14曲
昨年秋、クレア・リンチのサイドメンとして来日したジム・ハーストとミッシー・レインズの最新デュオ・デビュー作品だ。驚異的なテクニックで知られるギタリストのジムは、サムピックを使いながらも、ブルーグラス・フラットピッキンを平気で熟す、。ジェリー・リードの強い影響が伺えるスーパーピッカー。そして、IBMAアワードで3年連続の最優秀ベーシストを受賞したばかりのミッシー・レインズ嬢は、トム・グレイのベースに憧れ、クラウド・バリーからエディ・アドコック・バンド他での経歴を重ね、女性としてはアリソン・ブラウンに続いてブルーグラス楽器の最高峰に立った人。彼ら「2人だけ」で創られた「ギター&ベース」の最小単位のアンサンブル。二人の飾り気のない素朴なボーカルを中心に3曲のインストを挟んでの14曲には、エド・スナッダリー、クレア・リンチ、キム・フォックス、ジェイミー・オハラ、ジョン・ハドリーら素晴らしい「今」のソングライター達の作品を取り上げている。ティム・オブライエンがライナーで「デュオには何か完璧さ、自然のバランスとでも言うべき何か」があると指摘するように、ジムとミッシーのデュオには不自然さや物足りなさは感じられない。ムーンシャイナー誌昨年10月号(MS-1712
book\500-)に特集あり。
OMS-25070 KENNY BAKER『Cotton Baggin' 2000』CD\2,750-
Denver Belle/Bean Blossom/Pretty Birdie/Kiss Me Waltz/Dead March/Road to Columbus/Santa Claus/Sweet Bunch of Daisies 他全14曲
1999年、「IBMA名誉の殿堂」入りしたケニー・ベイカー、実に久々のソロ・アルバムである。ブルーグラス・フィドルの「典型的なフォーム」を創り上げた、ブルーグラスとビル・モンローにとって最も重要な芸術家である。74才という年齢からくる音の濁りが(ごく)まれに感じられるものの(彼のしかめっ面が思い浮ぶ)、それをカバーして余りある素晴らしい弓の切れ、徹底的に整理された素晴らしい音の流れ、ますます艶っぽささえ感じさせる左の指離れ、そして皆の大好きな選曲等々、この年齢にしての「ブルーグラス衝動」が堪らない。ボビー・オズボーンとジェシー・マクレイノルズのマンドリン、ブレイン・スプラウスの第2フィドルなども秀逸だ。個人的想いも加わるものの、フィドルを愛する人には「宝物」であるはずだ(ジャケット裏の彼が笑ってる!!)。1999年にIBMA名誉の殿堂入りを果している。ムーンシャイナー誌99年11月号
(MS-1701 book\500-)に入魂の特集あり。
KSCD-5121 STANLEY BROTHERS『Complete King & Starday Instrumentals』CD2枚組\4,500-
Lonesome Traveller/Suwannee River Hoedown/Jenny Lynn/Groundhog-Red River Valley/Wildwood Flower/Daybreak in Dixie/When You and I Were Young Maggie-Red Wing/Mastertone March/Steel Guitar Rag/Careless Love/Darling Nellie Grey 他全28曲
スタンレー・ブラザースのキングとスターデイ時代(1958-65年)のインストルメンタル曲ばかりを集めた全28曲。第1世代のブルーグラスが爛熟期を迎えた1950年代末、ラルフのテンション一杯のバンジョーを軸に、ラルフ・メーヨーのホットなフィドルや、歴史を創ったジョージ・シャフラーのクロスピッキン・ギター等々、クリンチ・マウンテン・ボーイズの素晴らしい伝統を一望で見る秀作だ。1963年のアルバム『America's
Finest 5-String Banjo
Hootenany』も全て収められている。あんな曲、こんな曲、ブルーグラス・インストのフレキシブルな本来の魅力がストレートに伝わってくる。
MH-0805 JOHN BOWMAN『Remember Me』CD\2,750-
Path Way of Danger/Are You Lost in Sin/Angel Band/Look for Me I'll Be There/Nearer My God to Thee/Take Me in a Lifeboat 他全13曲
アリソン・クラウスのユニオン・ステーション(AKUS)にいて、そのソフトなボーカルと高い音楽性で認められながらファミリー・ゴスペル・グループ、ディ・アイザックスに移ったジョン・ボウマン。彼の最新作は非常に完成度の高いストレート・ブルーグラスから、彼の素晴らしいボーカルをフィーチャーするバラードまで、どの曲も見事なアンサンブルに整えられたソリッドグラス・ゴスペル秀作となっている。バックは問答無用のトーンとタッチを聴かせるアダム・ステッフィ(m)と年を重ねるごとに上手くなっていくバリー・ベイルス(bs)のAKUS仲間に、リッキー・スキャッグスとの録音で知られるストレートなスクラッギストのマーク・プルエット(bj)、ダグ・バートレット(f)。ルービンやジム&ジェシらの名曲、またジミー・マーティンの"Prayer
Bells of
Heaven"をインストにしてしまう趣味の良さ等、とにかくジョンのボーカル同様、バランス感覚と高度な才能に支えられた、非常に素晴らしいブルーグラス・ゴスペル作品。ソリッドグラスでありながら心が落ち着く、やっぱゴスペルはいい。
MME-71003 JIMMY MARTIN & SUNNY MOUNTAIN BOYS『Hit Parade of Love, Live 1958-1960』CD\1,750-
Hit Parade of Love/Brakeman's Blues/John Henry/Worried Man's Blues/We'll Meet Again Sweetheart/You'll Be a Lost Ball/All the Good Times/Rock Hearts/Somebody Touched Me/Pike County Breakdown.
これは凄いライブだぞ。ジミー・マーティンがJ.D.クロウとポール・ウィリアムスを引き連れて、ハンク・ウィリアムスやエルビス・プレスリーを生んだルイジアナ・ヘイライドに初出演した記念すべき1958年1月18日のライブを含む、サニー・マウンテン・ボーイズの絶頂期10曲のライブである。その素晴らしいソリッドなリズム・ギターと、モンローのバンドで鍛えられたインパクトに満ちたボーカルが凄い。21才の若僧、J.D.の溌剌としたスリーフィンガーや、ポールのスムースなテナーに囲まれて、時代の熱気と3800人収容のホールの熱気が、いわゆる「ソリッド・グラスの父」とも考えられるジミー・マーティン本来の素晴らしさを雄弁に語る。ジミーの凄さを再認識させられる素晴らしい初CD化である。収録時間は短いが、その分の廉価盤であるのが嬉しい。
CPM-009 SUSI GOTT & CHRISTIAN SEGURET『Carolina』CD\2,750-
Ripshin/Cold Cold Wind/Sweet Carolee/French Road/Easy Does It/Bye and Bye 他全10曲
エディ・アドコック・バンド出身のスージ・ゴット(f)と、フランス出身の素晴らしいマンドリニスト、クリスチャン・セグェの1999年作品は、おしどり夫婦らしく、暖かさに溢れたホームメイド・ミュージックとなっている。二人が講師を務めた東テネシー州立大学周辺や、スジーの故郷でもあるノース・カロライナの風景をオリジナル曲に込め、ジェフ・ホワイト(g)、チャーリー・クッシュマン(bj)、マイク・バブ(bs)によるナッシュビルと、フランス・パリのブルーグラッサー達による二つのセッションで、クリスチャンのメチャ美しいマンドリン(1927年製ギブソンF-5)とボーカル、スージの飾り気のないフィドル&ボーカルが楽しめる。ブルー・リッジの懐で二人の幼い子どもを育てる様子が伝わるホノボノとするブルーグラス作品だ。(歌詞付き)
ちなみに、トニー・トリシュカやラス・バレンバーグをゲストに迎えたクリスチャン・セグェの1984年名作フランス盤LP『Blue
Shades』(ADA-1004LP 特価\870-ダジョー!!)も在庫している。LPアルバムのサワリ心地もいいよ。
OMS-25060 PAM GADD『Time of Our Lives』CD\2,750-
Virginia Man/If I Was a River/Hold Your Horses/Acoustisizer/Blue Railroad Tracks 他全13曲
女性ばかりのスーパーピッカー・カントリー・バンドとして一世を風靡したワイルド・ローズの最初のヒットは1989年のこと、彼女たちは熊本のカントリー・ゴールドにもやってきた。しかしそれ以前、パム・ガッドはバンジョー奏者としてニュー・クーン・クリーク・ガールズ等で、ブルーグラス界では高い評価を得ていた。もちろん、ムーンシャイナー誌にも度々登場している。この最新作ではバンジョー・ピッカーとして女性ブルーグラッサーの一面と、メジャーを経験したカントリー・シンガー・ソングライターとしての一面を、マーティー・ステュアート(m)、ランディー・スクラッグス(g)、グレン・ダンカン(f)、ロブ・アイクス(d)、ケビン・グラント(bs)
という素晴らしい(贅沢な)ブルーグラス・バンドをバックに聴かせてくれる。前作『Long Road』(VAN-79507
CD\2,750-)に引き続いてのソロ第2作、その人柄の良さそのままの優しい作品となっている。(歌詞付き)
FRC-663 ARI VAUGHAN『I Just Want To Thank You Lord』CD\2,750-
Road To Jericho/Stairway To Heaven/All I Can Do Is My Best/Ten Thousand Angels 他全12曲
ウェスト・バージニア出身の新人女性シンガー、19才のアリ・ボーンのデビュー作は、かつてマーシャル・ファミリーでヒットしたジュディー・マーシャル作の名曲を表題にしたゴスペル集。バックアップ・ハーモニーには元スカイラインのディディ・ワイランドとベース・ボーカルのシェルドン・フィーツェル。バンドはサミー・シーラー(bj,lg)、ケニー・スミス(g)、リッキー・シンプキンズ(m,f)のLRBにNBBのジーン・リベア(bs)とグレン・ダンカン(f)のストレート・ブルーグラス。全く無名だが、これが、いい。
CR-1042 SONNY OSBORNE『Early Recordings 1952-53 Vol.1』CD\2,750-
Sunny Mountain Chimes/Baby Blue Eyes/Silver Rainbow/My Rose of Old Ky/Jesse James/I Cried Again/Uncle Pen/Swanee River 他全14曲
天才少年バンジョー・ピッカー、ソニー・オズボーンが、1952年と53年にかけてラジオ通販用にゲイトウェイ社に録音したLP3枚シリーズが初CD化である。恐らく10代前半だったソニーの素晴らしい発想とインパクトは、すでにこの時から随所に聴かれ、チョッとしたタイミングの取り方や何気ないフレーズに、いわゆるバンジョー・オタクならため息を吐く事だろう。しかも、ボーカルのイノス・ジョンソンとカーロス・ブロックの味わいとフィドルは格別の50年代=アーリー・ブルーグラスを盛り上げる。またインスト曲では、どう考えてもボビーらしく聞こえる素晴らしいマンドリンも特筆だ。モンロー・スタンダードとインストをほぼ半々に収めた、もちろん現在の完璧な録音や技術には程遠いだろうが、その分、ノスタルジックと共に、偉大なアーティストの本物の感情が「ジカ」に感じられる秀作、その3作シリーズの第1作だ。第2、第3作(各
\2,750-)もある。
PC-1106 RAMONA CHURCH & CAROLINA ROAD『Carolina Memories』CD\2,750-
Love of the Smokey Mountain/Hickory Wind/Tennessee Blues/Back to the Country Road 他全12曲
元ニュー・クーン・クリーク・ガールズのバンジョー・ピッカー、ラモナ・チャーチをメインにした新バンド、カロライナ・ロードのデビュー作はサード・タイム・アウトのスティーブ・ディリング(bj)のプロデュース。ラモナのシュアーなバンジョーとリード・ボーカルを中心に、スーパーピッカーのウェイン・ベンソン(m)やジミー・バン・クリーブ(f)、キム・ガードナー(d)、クレイ・ジョーンズ(lg)らをゲストに迎え、女性らしいキャッチーなメロディーと詩を持つバンド・メンバーのロレーン・ジョーダン(m)のオリジナル曲を軸に有名曲も含め、カロライナをテーマにしたコンポラ・ソリッド・グラス作品。2曲のインストは凄いスピードだ。
SOMU-1987 NEW GRASS REVIVAL『Hold To a Dream』CD\2,650-
One Way Street/I'll Take Tomorrow/Looking Past You/How About You/I Can Talk to You 他全10曲
メジャーの夢を手にしたニュー・グラス・リバイバル、1987年発表のメジャー第2作である。ティム・オブライエンのキャッチーなタイトル曲をはじめ、ヒットした「これぞニューグラス!」の"Can't Stop Now"、サム・ブッシュのレゲェ"Unconditional Love"、ベラ・フレックの強烈インスト"Metric Lips"など、爽快なニューグラスをご堪能あれ。今年再発売された3枚のメジャー作品=『New Grass Revival』(SOMU-1986 CD\2,650-、先月紹介済み)、本作、そして『Friday Night in America』(SOMU-1989 CD\2,650-)を含めて、彼等の作品は1972年のデビュー作から全てCDで入手可能。凄いバンドだ。恐らく、20世紀のブルーグラスでフラット&スクラッグスと並んで、最も大きな影響力を持ったバンドだっただろう。
お勧め盤ブルーグラス
■ブルーグラス・スタンダードの巻
DCD-7790 MAC WISEMAN『24 Greatest Hits』CD\2,250-
Jimmy Brown/Prisoner Song/Barbara Allen/Wabash Cannonball/Poison Love/Love Letters in the Sand/I Saw Your Face in the Moon 他全24曲
何故か、日本ではあまり評価が高くないマック・ワイズマン。「a Voice from Heart」と呼ばれるその美声、その有名曲を網羅した大秀作だ。それもそのはず、収録曲の多くはバディー・スパイカーのアメイジングなフィドルに全編が彩られ、その美しい事。ちなみに、バンジョーはボビー・トンプソン、マンドリンはマーティー・ステュアート!!ンッ!!
■トラディショナル・ブルーグラス
(トラッドグラスとは、各時代の先端ブルーグラス=コンポラグラスが普遍化したもの。いわゆる典型的なブルーグラスが楽しめる)
PC-1100 OSBORNE BROTHERS『Dayton to Knoxville』CD\2,750-
Y'all Come/I'm Thinking Tonight of My Blue Eyes/Alabama/Is It Too Late Now/I Wonder Where You Are Tonight/I Cried Again 他全16曲
オズボーン・ブラザーズの最近(2000年)作は、自分たちのキャリアを振り返る4作シリーズの第2作。1949年から54年、懸命にブルーグラスのノウハウを学んでいた時代の懐かしい曲を、現在のメンバーで再演している。
HHH-1355 LYNWOOD LUNSFORD & MISTY VALLEY BOYS『A Portrait of the Blues』CD\2,750-
Journey's End/Will You Be Satisfied That Way/Your Best Friend and Me/How Long 他全13曲
近年のロスト&ファウンドでの活躍や趣味の良いソロ・バンジョー集『Pick Along』(HHH-1349 CD\2,750-)で知られるリンウッド・ランスフォードがリーダーとなったミスティー・バリー・ボーイズのデビュー作は、トラッドグラス一直線。バージニア州のブルー・リッジの山懐から生まれ育った彼ら。幅広い選曲で、久々の本格的バージニアン・トラッドグラスといった趣だ。
■コンテンポラリー・ブルーグラスの巻
(コンポラグラスとは、文字通り現代的ブルーグラスという意味で、今日的な詩とサウンドや奏法を標榜するブルーグラス)
ACD-44 CHARLES SAWTELLE『Music from Rancho deVille』CD\2,750-
Storms Are on the Ocean/Mom and Dad's Waltz/Forsaken Love/Angel Band 他全16曲
1999年3月21日、52才で他界した元ホット・ライズのギタリスト、チャールズ・ソウテルがローリー・ルイスとの共同制作で創った初のソロ。デビッド・グリスマン、ピーター・ワーニック、ローリー・ルイスらを配した1曲目のマンドリン・インストから、カーター・ファミリー・ソング(ノーマン・ブレイクの歌とグリスマン)を随所に配し、クレイグ・スミス、サム・ブッシュ、ジェリー・ダグラス、ピーター・ローワン、リチャード・グリーン、バッサー・クレメンツらのゲストで、インストとボーカル物が半々。余分な音を省き、収められたすべての音がとても暖かく聴こえる。皆から愛された素晴らしいミュージシャンと友人たちとの、心の篭った秀作。
PC-1093 CHAPMANS『Notes from Home』CD\2,750-
Mom and Dad's Waltz/Panhandle Rag/You're Running Wild/Out Among the Stars 他全12曲
ムーンシャイナー4月号(MS-1806 \500-)の「若者会議」に参加していたチャップマン3兄弟の最近作。抜群にキマるソリッドなアンサンブルと新旧のカントリー・ソングを実に巧妙に唄い込む素晴らしさは、とても10代から20代前半の若者とは思えない、充実した出来栄えだ。
■プログレッシブ・ブルーグラスの巻
(プログレグラスとは、既成のブルーグラス・スタイルを音や詩、気合い!?で飛び越えるもの)
SH-3909 NICKEL CREEK『Nickel Creek』CD\2,750-
ムーンシャイナー4月号(MS-1806 \500-)の特集と共にお楽しみ下さい。20才になったクリス・シーリをはじめ、ショーン&サラのワトキンス兄妹の成長した姿と、音楽への真摯な態度が素晴らしい。21世紀の新しいブルーグラスである。
■女性ブルーグラス
REB-1764 MARK NEWTON『Follow Me Back to the Fold』CD\2,750-
カーター・ファミリーの伝統を唄うタイトル曲他、全曲に女性ボーカリスト(ロンダ・ビンセント、クレア・リンチ、ザ・ホワイツ、リン・モリス他)を迎え、トニー・ライスやアラン・バイビー、ロニー・ステュアートら新旧のスーパーピッカーをバックに「女性ブルーグラスに捧げる」と副題された、昨年の話題作である。なお、ムーンシャイナー誌3月号から、日本の女性ブルーグラッサー達の連載をご覧下さい。
インスト新入荷
CLIP-1003 小松原 俊『Crayons』CD\2,857-
Love Song/Kings Park Air/Jet Rag/タマタマタンゴ/夕陽を追いかけ/流れ星を見た夜 他全11曲
フィンガーピッキン・ソロ・ギターの小松原シュン、4年ぶりという最新第4作である。シンプルでリリカルなオリジナル作品の合間にニコッとさせるユーモアを交え、日本人の心象風景もさりげなく散りばめて、聞きやすく楽しめる内容に仕上げるバランス感覚は、さすがベテランだ。
ちなみに彼の第1作『Dear+2』(CLIP-1000 CD\2,857-)、第2作『Scene』(CLIP-1001 CD\2,857-)、第3作『Naturally』(CLIP-1002 CD\2,750-)の在庫もある。
PC-1102 JIM HURST & MISSY RAINES『Two』CD\2,750-
サムピックを使いながらブルーグラス・フラットピッキンを熟すことで知られるジム・ハーストが、ベーシストのミッシー・レインズと組んだデュオ。ブルーグラス新入荷参照。
■フレンチ・ジャズ名盤シリーズ(各\1,500-)
フランス録音のジャズ名盤が「ジャズ・イン・パリ」としてシリーズ発売されている。以下はブルーグラスとも関連のあるアーティストや楽器を中心にピックアップして見ました。
UNI-549241 DJANGO REINHARDT『Django et Compagnie』CD\1,500-
1935年から37年にかけて、ジャンゴとフランス・ジャズメンとの共演集。
UNI-159853 DJANGO REINHARDT『Swing from Paris』CD\1,500-
1935年録音が8曲、1938年録音が5曲、そして1939年録音が2曲、ジャンゴとグラッペリのフランス・ホット・クラブの全15曲。
UNI-159854 DJANGO REINHARDT『Swing 39』CD\1,500-
全曲1939年録音のフランス・ホット・クラブ・クインテットの17曲。ビル・モンローがブルー・グラス・ボーイズを結成した年であり、第2次世界大戦が始った年でもある。ワァーオッ!
UNI-549403 TOOTS THIELEMANS『Blues Pour Flirterfor Django et Compagnie』CD\1,500-
トゥーツ・シールマンのギターを中心にしたカルテット、1961年作品。
UNI-013029 OSCAR PETERSON & STEPHANE GRAPPELLI QUARTET『Vol.2』CD\1,500-
1973年、オスカー・ピータソンとステファン・グラッペリにケニー・クラークのドラムスとニルス・ペデルセンのベースのカルテット。
UNI-549242 STEPHANE GRAPPELLI『Improvisation』CD\1,500-
ステファン・グラッペリの1956年作品、ピアノ、ドラムス、ベースとのカルテット。未発表3曲。
UNI-548150 JEAN-LUC PONTY『Jazz Long Playing』CD\1,500-
ジャス・バイオリニスト、ジャン・リュック・ポンティの初期1964年作品。
各楽器別インストお勧め盤
(各楽器の教則物やパーツ等もお問い合せ下さい。また、スタッフが蓄積しているノウハウもご利用下さい)
■ギターの巻
BGOCD-357 KENTUCKY COLONELS CD\2,750-
ローランド&クラレンス・ホワイト兄弟のマンドリン&ギターを軸に、ビリー・レイ・レイザム(bj)、ボビー・スローン(f)、ロジャーブッシュ(bs)、リロイ・マック(d)のケンタッキー・カーネルズが1964年に残した『Appalachian Swing』(ラウンダーのオリジナル盤は廃盤)に2曲のシングル発売曲を足した14曲。ブルーグラス・フラットピッキン・リード・ギターの夜明けとして、あまりにも有名な作品の英国盤。
COMP-4299 ROBBIE McINTOSH『Unsung』CD\2,750-
プリテンダーズやポール・マッカートニー・バンドのギタリストとして活躍したロビー・マッキントッシュの、素晴らしいフィンガーピッキン集。メロディック奏法から基本のトラビス・ピッキン、ニューエイジ調や歌入りブルース等、オリジナルを中心にショパン、オカロラン、モンクまで、暖かいタッチの全19曲。
■マンドリンの巻
ROU-0195 SAM BUSH『Late As Usual』CD\2,750-
Big Mon/Russian Rag/Leather Britches/Sailin' Shoes/Broadway/Funk 55 他全11曲
「いつものごとく遅れて」、1980年代中頃に発表されたサム・ブッシュのデビュー・ソロ作品。1970年代以降のブルーグラスをリードしてきたサムらしい、「何でもあり」の楽しい作品。新旧のNGRメンバーに、故ジェスロ・バーンズや故コートニー・ジョンソンも参加。
COMP-4301 MATT FLINNER『Latitude』CD\2,750-
若きマンドリン奏者=マット・フリナー、アリソン・ブラウンのコンパスからの最新ソロ第2作。抜群のタッチと音質で、僚友のデビッド・グリア(g)とトッド・フィリップス(bs)に、ステュアート・ダンカン、ダロル・アンガー、ジェリー・ダグラスがゲストのブルーグラス志向の素晴らしいニュー・アコースティック音楽作品。
■バンジョーの巻
AR-1378 CASEY HENRY『Real Women Drive Trucks』CD\2,750-
St.Simon Says/Liberty/Shrimp on the Barbie/Turkey in the Straw/Dixie Breakdown 他全13曲
昨夏大学を卒業し、ナッシュビルに移りキャリアを積もうというケーシー・ヘンリー嬢、挨拶代りの素晴らしいデビュー・バンジョー作品である。バンジョーを手にして8年になる彼女が、15 才から大学までの間に書き溜めたオリジナルを中心に、スリー・フィンガー・ロールを基本に、無理のないメロディーを聴かせる。父レッド(m)、弟クリス(g)、ミッシー・レインズ(bs)、ジェイソン・カーター(f)を基本バンドに、スクラッグス・ロールに秘められたメロディーの妙味を巧く引き出し、バンジョーの「ツボ」を心得た作品。
■フィドルの巻
ROU-0037 J.P.FRALEY『Wild Rose of the Mountain』CD\2,750-
アメリカ大陸に伝わった様々なフィドル音楽を記録するマーク・ウィルソンの北米伝承音楽シリーズ初期、ジェイ・ピー・フレイリーの1974年発表の名作に99年録音の曲を加えた全32曲。エド・ヘイリーに代表される素晴らしい東ケンタッキー・フィドルの伝統が、アート・スタンパーやケニー・ベイカーに結び付く同地方の脈絡が感じられる。ケニーに通じる洗練されたメロディーとテクニックにも驚かされる。新しいレパートリーの宝庫でもある、伝承フィドル名作。
CLAS-707 EDDIE SOUTH『1923-1937』CD\2,750-
CLAS-737 EDDIE SOUTH『1937-1941』CD\2,750-
ジャズ・バイオリンのパイオニアであるエディ・サウスの音楽を録音年代順に並べた超素晴らしい作品2枚。初期のジャズからジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリらをバックにしたものやオーケストラでの録音等。クラシックの素養と、シカゴ育ちの米国黒人であるという背景を持つ彼の、様々なシチュエーションでの素晴らしいバイオリンが堪能できる。ジャズ・バイオリン・ファン、またアドリブを目指すフィドラーら必聴のインパクトである。
CO-2705 KENNY BAKER『Master Fiddler』CD\2,750-
Washington County/First Day in Town/Sweet Bunch of Daisies/Festival Waltz/Lost Indian/Grassy Fiddle Blues/Gold Rush 他全20曲
ケニー・ベイカーは、1970年代にブルーグラス・フィドルの最も完成された典型(スタイル)を創り上げたフィドラーだ。そんなベイカーの、最良とされるカウンティ録音から選ばれた20曲を収めたベスト集。なお、このフィドル・パートの全てを書き留めたA4版45頁の楽譜集(CO- 2705T \2,500-)もある。ブルーグラス・フィドル・チューンの醍醐味を学ぶ事が出来る超お勧めセットである。
■ベースの巻
PC-1094 MARSHALL WILBORN『Root 5, Bass & Banjo』CD\2,750-
Careless Love/Lady of Spain/The Old Folks at Home/Banjo Hop/Oh, Susanna 他全13曲
メチャ・ユニーク、マーシャル・ウィルボーンのベースと、有名ゲストのバンジョーのみによる、1対1のデュオ集。バンジョー客演にはトム・アダムス、アラン・マンデ、クレイグ・スミス、ロニー・ステュアート、スコット・ベスタル、リン・モリス、トニー・ファータド、デビッド・マクラフリン、ピート・ワーニック。マーシャルの素晴らしいスラップ・ベースの教則ビデオ『Slap Bass Video』(MM-SBV VHS\4,500-)もある。
オールドタイム&フォーク新入荷
YODEL-036 BOSCO BROTHERS with HEJA『Old Time from Bosco's Halfway Home』CD\2,500-
Who's Been Giving You Corn/満月の夕/Polly Put the Kettle On/昼休み/ゴンドラの唄/生活の柄/Hell Among the Yearlings/竹田の子守唄 他全20曲
「バスコ」こと高木光介が、米国オールドタイム・レーベルの名門、ヨーデレイヒー・レコードから発表した素晴らしいデビュー・ソロ作品だ。日米共に超マイナーな(ブルーグラスより更にだぜ)音楽市場として知られる(!?)オールドタイムを人生にしてしまったバスコ(詳細はムーンシャイナー誌4月号特集参照=\500-)。米国ででさえ伝承者として一級の評価があるフィドルを中心にしたストリングバンドでのフィドル・チューンを軸に、バスコのキャリアで出会った故岩井 宏(ムーンシャイナー誌9月号に追悼)、ソウルフラワーユニオン、志村 喬、山之口獏などのレパートリーを、坂野「ヘジャ」ケーコの不思議な癒し感を持つボーカルで所々に散りばめられており、とても聴きやすく仕上がっている。バスコ兄弟たちのストリングバンド(バンジョー、ギター、バンジョー・ウクレレ等)も秀逸だ。すでに技術、距離、民族、精神など「モノホン」の次元を遥かに越えた21世紀の地球社会、ここに聴かれるのは精神的に満たされた(?)ミュージシャンの「いい音楽」だ。畦地アツのジャケットも秀逸だ。
SYJY-2001 坂庭省悟&城田じゅんじ『Chikara wo Awasete vol.2』CD\2,857-
朝の雨/あの娘をつれていった汽車/Bretton Gavotte/Deep River Blues/Emigrant's Farewell/旅に出たのは/Clergymants Lament/Night Walk/海原(Water Is Wide)/Planxty Fanny Poer/旅立つ前に〜Calliope House/Chaplin in New Shoes.
ザ・ナターシャ・セブン以来の朋友、城田と坂庭が前作『力を合わせて』(廃盤)に続いて発表した最新デュオ・アルバム。懐かしい曲から、最近の関心、アイリッシュのアンサンブルまで、息の合ったところを聴かせる。一時音楽を止め、米国移住した城田が、アイリッシュ音楽に目覚め、再び坂庭とコンビを組んで、毎年1度、恒例のツアーを再開、4月一杯は全国ツアー中である。懐かしい曲から新しいレパートリーまで、息の合った所を聴かせてくれる。城田と坂庭に渡辺三郎がインタビューした連載記事がムーンシャイナー誌99年10月号から1月号まで、プラス、岩崎昌樹氏による「京都の初期フォークソング・シーン」が2000年2月号に特集(各\500-)されているので、そちらも参照下さい。
2人にはツアー・ドキュメント・ビデオ『Fifty Fifty』(SYJY-003V VHS\4,572-)もある。また、サンフランシスコ録音の城田の最新アイリッシュ・インスト作『From There To Clare』(JS-105 CD\2,857-=次号紹介予定)も同時に発表されている。
フォーク&オールドタイムお勧め作品
■オールドタイムの巻
CR-1061 THE HOT MUD FAMILY CD\2,750-
Hello Stranger/My Wandering Boy/Blue Railroad Train/Hawkins Rag/Walkin' in Jerusalem 他全16曲
1970年代に活躍した若手オールドタイム・トリオのデビュー作のCD化。カーター・ファミリー曲を中心に、ラグタイム調、デルモアなどのブルース曲、アカペラ、そしてフィドル&バンジョー中心のダンス・チューン等、戦前の美しいメロディーをアッサリと演じ、オールドタイムの入門としても入り易く、楽しい作品に仕上がった、洗練されたオールドタイム。こだわりなくオールドタイムの楽しさを伝えてくれるの秀作。
RC-118 三津谷組『まいど、おおきに、Y'all come back an' see us, y'hear!』CD\2,750-
大阪はミナミの三津谷家=トーチャン(bj)、チーコ夫人(v)、タッキー(g)、リノ(f)=を中心に、子供たちの友人である渡辺ヒサシ(m)と親たちの友人の細谷ヒロシ(bs)を加えた6人組によるストリングバンド音楽。トーチャンの見事なクロウハンマー・バンジョー(中にラグタイムを編曲したフィンガースタイルも聞き物!)と、チーコの元気ボーカルを軸に、家族一丸のオールドタイム音楽集。
■フォーク
SF-40034 BROWNIE McGHEE『Folkways Years, 1945-1959』CD\2,750-
フォーク・ブームの時代に熱狂的に支持されたブルース・マン、ブラウニー・マギーの17曲。
PH-1179 KIMBERLY M'CARVER『Inherited Road』CD\2,750-
テキサスの女性シンガー・ソングライターの伝統を受け継いだ、コンテンポラリーなアコースティック・フォーク&カントリー。ジェリー・ダグラス、ステュアート・ダンカン、ジェフ・ホワイト他、ブルーグラス系バックアップで聴かせる繊細なボーカルが魅力。エミルー・ハリスやナンシ・グリフィスらと同種の爽やかさが良い。
カントリー、ロック等、ポップ新入荷
KEN-5006 MARI『Hear My Heart』CD\2,800-
Every River/Shut Up and Drive/Love Is the Foundation/Walking After Midnite 他全14曲
京都のカントリー・ライブハウス、ケニーズで活躍する若手女性シンガー、マリのデビュー作はチャーリー・マッコイと、父親である永富研二のプロデュース。その抜群の歌唱力と違和感のない英語、若い感性で日本のカントリーを別の次元に引き上げる秀作である。ハル・ラグやウェルドン・マイリックのペダル・スティール・ギター、ビル・ヒューレットのリード・ギター他、フート・ヘスター(f)、バディ・ブラックモン(g)、そしてティム・スミス(bs)、ジェリー・クルーン (drums)ら、ナッシュビル・サウンドを支えてきたベテランに、プレスリーのコーラス隊として知られる、ジョーダネアーズに、マリのボイス・トレーナー、キャシー・キアボラ等のハーモニー。一流のナッシュビル・サウンドに、キム・リッチー他、素晴らしいソングライター陣の作品など、日本のカントリーに新しい可能性を感じさせるラブ・ソング集。カントリー・ファンはサポートすべし。
JASMD-3505 RAY PRICE & CHEROKEE COWBOYS『In a Honky Tonk Mood』CD\2,250-
後にポップ・フィールドでもブレイクし、ポピュラー歌手の仲間入りをするレイ・プライス。これは彼がストレートなホンキー・トンク・シンガーであった1950年代の貴重なラジオ・トランスクリプション。アーリー・カントリーの熱気に溢れた力強い歌唱と、チェロキー・カウボーイズのホットなサウンド(恐らくトミー・ジャクソンのフィドルやジミー・デイのスティール・ギター)、これがアーリー・カントリーの魅力。
UNI-542517 WILLIE NELSON『Milk Cow Blues』CD\2,650-
Black Night/Crazy/Kansas City/Ain't Nobody's Business/Night Life/Sittin' on Top of the World/Texas Flood 他全15曲
ウィリー・ネルソンの最新作は全曲にブルース・シンガーやギタリストをゲストに迎えて、自身の超有名オリジナル曲やトラッドのブルース集。ドクター・ジョン、B.B.キング、ジョニー・ラング等、そのスジの有名人達だ。グラミーのトラディショナル・ブルース部門にもノミネートの、さすがカリズマ、ウィリー。
RCA-69353 JOHN DENVER『An Evening with John Denver』CD\4,500-
故ジョン・デンバーの最も有名な1975年作2枚組ライブ・アルバム。かつてCD発売されたが、その時はLPから2曲がカットされCD1枚として発表され、不評を買った、いわく付きの名ライブ。今回はCD2枚組として、オリジナルLPから全曲と、未発表の同時期ライブ6曲("Leaving on a Jet Plane"や"City of New Orleans"を含む)の全29曲100分以上の、ジョン・デンバー・ライブ決定版。彼が最も輝いていた時だ。
カントリー再入荷&ベストセラーズ
PO-536077 HANK WILLIAMS『The Complete Hank Williams』CD10枚組\21,000-
ハンク・ウィリアムス、1998年のグラミー受賞作。まぎれなく、ハンクの決定版と言える全曲集である。絶対のお勧め!化粧箱入り大全集!!
CCCD-0184 CLAIRE LYNCH『Out in the Country』CD\2,750-
昨年10月、熊本カントリー・ゴールドに来日したクレア・リンチ、1982年作のカントリー作品がCD化再発売。1980年代はじめのエミルー・ハリスやリッキー・スキャッグスらによって招来されたネオ・カントリー・ムーブメントと呼ばれる動きに呼応して、ジョージ・ストレイトのフィドラーとしても知られたジーン・エルダースを制作者に、「トリオ」音楽監督のジョン・スターリングやマイク・オルドリッジのペダル・スティール・ギターが参加したストレートな(飾り気がなく気持の良い)カントリー&ウェスタン作品。
ROU-1152 V.A.『Freight Train Blues』CD\2,750-
ラウンダーがシリーズで贈る「鉄道の歌、第4作」である。今回はマーティー・ステュアート、ローリー・ルイス、ドン・エドワーズ、キャシー・キアボラ、レッド・ナックルズ、ジョー・エリィ、NBB、NRBQ、LRBら、現在活躍中のカントリー、フォーク、カウボーイ・ソング、ブルーグラスのトップ・グループが「汽車」にまつわる様々な物語やノスタルジックなメロディーなどを、バラエティー豊かに聴かせてくれるお勧め企画作品。
LDM-0202 テキーラ・サーキット『ライブ』CD2枚組\4,000-
Ramblin Man/Dixie Cicken/Ophelia/Crossroad Blues/Lay Down Sally/Black Berry Blossom/Chasin' Rainbows/Bye Bye Baby 他全27曲
70年代の名曲カバーで高い評価を得たテキーラ・サーキット、最新第2作2枚組ライブ。抜群の唄の巧さと、洗練されたアコースティック楽器テクを武器に、良く知られた名曲集。奥沢明雄 (g)、中島シメ(g)、西海孝(g,m,d,bj)、彼等トリオが大阪のアナザードリームや博多ドリーム・ボートでの録音。ムーンシャイナー誌00年8月号に西海孝の「みんなでワーハッハ」のセッション物語がある。また、98年6月号(\500-)にはテキーラの特集があるのでご参照下さい。
その他、CD新入荷
(中には今後詳細を紹介しない作品も含んでいます。お見逃しなきよう!)
■ブルーグラスの巻
SRS-001 BECKY BULLER『Rest My Weary Feet』CD\2,750-
東テネシー州立大学の現役女子大生、ベッキー・ビューラーのデビュー作。当地ではアリソン・クラウスの再来と称される彼女の素晴らしいコンポラ・グラス集。
AR-120 RED HENRY『Bluegrass Mandolin and Other Trouble』CD\2,750-
ビル・モンロー・スタイルのマンドリニストとして知られるレッド・ヘンリーの1978年から99 年にかけての録音22曲集。
VAR-66215 RALPH STANLEY & CLINCH MOUNTAIN BOYS『Echoes of the Stanley Brothers』CD\2,750-
なんと、故キース・ウィットリーと故ロイ・リー・センタースにリッキー・スキャッグスらを擁した1971年と1973年のジェサップ・アルバム2枚が1枚のCDになった全24曲。
PC-1103 RARELY HERD『Part of Growing Up』CD\2,750-
米国のローカル・フェスで圧倒的な人気を誇るレアリー・ハードの最新作。全編にロブ・アイクス(d)が参加、セルダム・シーン路線を踏襲。
DS-4003 KANE'S RIVER CD\2,750-
話題のドゥビー・シー・レコードの最新作2枚(下記と)はいずれもローカルながら、ティム・オースティンの肩入れでの全米デビューだ。
DS-4004 THE GRASSHOPPERS CD\2,750-
こちらはダン・ティミンスキも制作に参加しての心地好いコンポラ・ソリッドだ。上記共に、ティムの制作手腕には脱帽だ。
OMS-25050 BOBBY OSBORNE『The Selfishness in Man』CD\2,750-
オズボーン・ブラザーズのボビー、初のカントリー・アルバム。ブルーグラッサーらしいツッコミが快感(!?)である。
■インストの巻
KTA-0001 押尾コータロー『Love Strings』CD\2,800-
デビュー作が関西のFM802などを通じて、高い評価を得たフィンガーピッカーの最新作。
ND-50834 DON ROSS『Huron Street』CD\2,750-
ただ一人、全米フィンガースタイル・チャンピオンを2回獲得したドン・ロスが24ビット、96K の2トラックにダイレクト録音した最新作。
JS-105 城田じゅんじ『From There to Clare』CD\2,875-
米国西海岸有数のアイリッシュ・ギター奏者と言われる元高石ともや&ナターシャ・セブンの城田の最新作はソロ・ギターを中心に、自身の4弦バンジョー他、アコーディオンやコンサーティナとのアイリッシュ・アンサンブル・インスト集。
■オールドタイム&フォークの巻
VLT-15133 GRETCHEN PETERS CD\2,750-
多くの女性カントリー・シンガーに支持されるシンガー・ソングライター、グレッチェン・ピーターズの最新作。彼女の"Highlonsome"はロングビューもカバーしている。
FFAC-1003 紙ふうせん『サンジュアム』CD\2,381-
「竹田の子守歌」や「翼をください」他11曲、有名曲を中心にした昨年発売の最新作。
■カントリー、ポップ他の巻
CCH-162 FARON YOUNG『Complete Capitol Hits』CD2枚組\4,500-
カントリーはもちろん、ポップ・チャートでもヒットしたファロン・ヤングの強力41曲集。
CCH-185 PATSY MONTANA『The Best』CD\2,450-
「カウボーイの恋人」として最初にブレイクした女性カントリー・シンガー、パッツィー・モンタナのコロムビア録音24曲集。
OMS-25050 BOBBY OSBORNE『The Selfishness in Man』CD\2,750-
オズボーン・ブラザーズのボビー、初のクラシック・カントリー・アルバム。
JASMD-352/ LONNIE DONEGANMEETS LEINEMANN『The Complete Sessions 1974-1975』CD2枚組\2,980-
英国のジャグバンドからロカビリーへの過渡期、スキッフルの大御所がラインマン(pro?)と創った全 33曲。カーター・ファミリー・ソングからアメリカン・スタンダードまで選曲が魅力。
MME-72628 ELVIS PRESLEY『Complete Louisiana Hayride Archives』CD2枚組\2,250-
エルビス・プレスリー19才の秋、そのデビューから2年余りにわたる超貴重なルイジアナ・ヘイライドでのパフォーマンス20曲集。
お勧めビデオ作品
MB-97510VX NASHVILLE MANDOLIN ENSEMBLE『Live at Caffe Milano』VHS\3,200-(41分)
My Last Days on Earth/Ricochet/Texas Fox Tot/Frangenti/Fiddle Tune Medley 他全8曲
ブッチ・バルダサリを中心に結成されたナッシュビル・マンドリン・アンサンブルのライブ・ビデオ。モンローからグリスマン、アイリッシュからラグタイム、そしてクラシック等、マンドリン・オーケストラの優雅なアンサンブル音楽。
MB-99450VX TOMMY EMMANUEL『In Concert, Part 1』VHS\6,500-(60分)
トミー・エマニュエルによる素晴らしいフィンガーピッキン・ソロ・ギター・コンサート・ライブ。動きのある楽しいステージングと驚くべきギター・テクニックは、さすがチェット・アトキンスのお墨付き。ソロ・ギターの楽しさをダイレクトに伝えてくれる秀作だ。同様のライブ・ビデオ後編『In Concert, Part 2』(MB-99451VX VHS\6,500-54分)もある。
教則物新入荷
MB-96660BD BRAD LEFTWICH『Clawhammer Banjo, Round Peak Style』Book+CD\3,700-
オールドタイムの宝庫、ノース・カロライナのブルー・リッジの懐、ラウンド・ピーク地方に伝わる本格的クロウハンマー・バンジョー82曲(同じ曲の別バージョンも含む)を収めた教則タブ譜とCD。教則本にはラウンド・ピーク・スタイルの概要や主要ミュージシャンも説明されている。ベテラン・オールドタイマーとして高い評価を持つブラッド・レフトウィッチの素晴らしいクロウハンマー・バンジョー教則である。
教則お勧め作品
MB-94875BD JETHRO BURNS『Complete Mandolin Book』CD2枚+Book\7,500-
Cripple Creek/John Hardy/Sam's Bush/Annie Laurie/Swanee River/Back Up and Push 他全75曲
巨匠ジェスロ・バーンズのマンドリン教則本がCD2枚組と共に再発売された。ジェスロの類まれなマンドリン・スタイルが日常の練習や理論も含めて見事に解説された240頁の楽譜&タブ譜と2時間に及ぶCDでのジェスロ自身の模範演奏は、良く知られたフィドル・チューンやスタンダードを中心にブルーグラスやジャズにかかわらず、初心者にも無理なく(少し頑張ればネ)、また中級者にはマンドリンに対する一段上の知識としてお勧めである。もちろん驚くべきフレーズや瞠目のコード・ワーク等、ツボやコツが一杯の秀作。
なお、ジェスロのマンドリンは『Swing Low Sweet Mandolin』(ACD-15 CD\2,750-)で、目一杯お楽しみ下さい。
MM-CBV1 LYNN MORRIS『Clawhammer Banjo Vol.1』VHS\4,500-(85分)
You Are My Sunshine/Cripple Creek/Arkansas Traveller/Soldier's Joy/Cluck Old Hen.
リン・モリスがクロウハンマー・バンジョーの基本を丁寧に紹介してくれる素晴らしい入門編。最もシンプルな、よく知られたクロウハンマー・スタイルをゆっくりと口述教則してくれる。スリーフィンガー・ピッカーにも入りやすく創られており、右手の基本を変えず、様々な曲の表情を楽しませてくれるスグレモノのクロウハンマー入門。
▼緊急入荷!!
SCD-3510 COUNTRY GENTLEMEN『High Lonesome, Complete Starday Recordings』CD2枚組\4,500-
遂に出た!幻のアルバム『Folk Hits Bluegrass
Style』を含むカントリー・ジェントルメン初期のスターデイ録音完全51曲集。詳細は次号にて!!
(春です、耳を澄まして、楽器を出して…sab)
最近の話題作 T.UNO
2000年のCD事情は、ムーンシャイナー誌4月号に詳しいが、そちらも踏まえた上で、ここ一、二年の話題作、ヒット作を改めてチェックしておこう。
●LARRY CORDLE & LONESOME STANDARD TIME 『Murder On Music Row』 SP-1001 CD \2,750
ラリー・コードル&ロンサム・スタンダード・タイム久々のアルバムは、ナッシュヴィルの音楽産業、カントリー・ミュージックへの痛切な批判を盛り込んだタイトル曲が、A.
ジャクソン&G.ストレイト版で大ヒットし、99年の話題をさらった作品。古きよき時代へのノスタルジー、ということだけでは終わらない、ラリーからのメッセージを込めたいくつもの曲が胸を撃つ。デイヴ・タルボット(bj),デヴィッド・ハーヴェイ(m)の手堅いサポートで、トラディショナル・ブルーグラスのエッセンスを抽出したサウンドが、聴かせどころをきっちりおさえた、味わい深い仕上がりを見せている。
●NEW GRANGE 『New Grange』 COMP-4280 CD \2,750
グラミー初受賞おめでとう、のアリソン・ブラウンがティム・オブライエン、マイク・マーシャル、ダロル・アンガー等曲者たちとスタートさせたユニット。トラッド・ブルーグラスのノウハウをベースに、ジャズやアイリッシュを織り交ぜながら、この顔ぶれからするとテクニック偏重の音志向バンドに走るのでは、という危惧をいい方に裏切って、アンサンブル重視の新しいブルーグラスへの試みが随所に窺える、新世紀に向けてのターニング・ポイントともなりそうな作品に仕上げている。
●CHRIS SHARP 『Good "Fa-Air" Side"』 RC-117 CD ¥2,750
話題のサントラ『O Brother,Where
Art
Thou』への参加でメジャー・シーンでも注目のふたり、アールの神髄を完璧にマスターしたジョン・ハートフォードが、愛弟子にしてレスターのリズムの正統の継承者、クリス・シャープとともに創りあげた現代版フォギー・マウンテン・ボーイズ。思わずにんまりの1曲目から、レスター&アールの名曲をはさんでラストのバンジョーの余韻に至るこのグルーヴこそ、いまのブルーグラスには滅多と聴かれなくなった、ファースト・ジェネレーションの真骨頂。Flatt
by Sharpとはいいえて妙。
●KARL SHIFLETT & BIG COUNTRY SHOW 『In Full Color』 REB-1772 CD \2,750
50年代クラシック・ブルーグラスへの熱い想いを、時代錯誤のファッションと、ワン・マイク・セッティングでの大袈裟なコレオグラフィにのせた、ノスタルジーいっぱいのパフォーマンスで一躍人気者となった、カール・シフレット&ビッグ・カントリー・ショウの新作。デビュー作(REB-1752\2,750)から一段とパワーアップした、レスター・フラットになりきったカールのリードとギャング・スタイルのコーラス、ジェイクのスクラッグス・命・バンジョーにライルのモンロー・マンドリン、すべてが一つとなって、カールの言葉通り、1945年に演奏されていたそのままのオリジナル・ブルーグラスが展開される。RCA77リボン・マイクでの、オーヴァー・ダブなど小細工一切無しの一発録り、スタジオでもライヴ同様の動きを見せての録音。
●RALPH STANLEY & THE CLINCH MOUNTAIN BOYS featuring JAMES KING 『Stanley Brothers Classics』 WANGO-103 CD \2,750
御大ラルフ・スタンレー85年録音のスタンレー・クラシックスは、今や単にスタンレー・トラディションの継承に留まらず、自らのバンドやクラシック・ブルーグラスの再現ユニットとして大人気のロングヴューで、当代最高のトラディショナル・ブルーグラス・シンガーの座を不動のものとしたジェイムズ・キングの鮮烈なデビューを記した、記念碑的アルバム。ジョンソン・マウンテン・ボーイズで鋭い切り込みフィドルをフィ−チュアしたエディ・スタッブスの、クリンチ・マウンテン・スタイルを継承したホットなプレイを軸に、ラルフ絶頂期を再現する流石の演奏。続いて発売された87年録音の『Reunion』
(WANGO-104)と併せて、スタンレー・クラシックスの真髄だ。
●DAN TYMINSKI 『Carry Me Across the Mountain』 DS-2002 CD \2,750
ロンサム・リヴァー・バンドでコンポラ・ソリッドのハーモニー・シンギングを極め、現在はアリソン・クラウス&ユニオン・ステーションのサウンドの要として、確固たる位置にあるダン・ティミンスキーのソロ・デビュー作。コンテンポラリー・ソングライターの作品とスタンダードを巧みに織り交ぜて、AKUS、LRBのサポートでブルーグラスの今をパーフェクトに演じきった、2000年度トップを争う極めてハイ・クオリティかつソウルフルな会心作。コーエン兄弟の話題の映画『O
Brother, Where Art
Thou?』のサントラ(UNI-170069\2,650)への参加、大ヒットで俄然メジャー・シーンへの露出急増、大きな注目を集めている。
●PETE & JOAN WERNICK 『Windy Mountain』 PW-1 CD \2,750
I've Endured/Nobody's Darling But Mine/Mama's Hand/Windy Mountain/Caves of Jericho/There'll Always be a Rocking Chair/Walking in the Air/Be Proud of the Gray in Your Hair/Setting the Woods on Fire/Maple's Lament/Each Season Changes You/My Love is a Rider/Dark Hollow 全13曲
ドクター・バンジョーことピート・ワーニックが、奥方のジョーン(70年代、カントリー・クッキングのヴォーカリストとして知られるノンディ・レナードといった方が通りがいいだろう)と二人で作った、暖かいアルバム。ヘイゼル・ディッケンズ、ローリー・ルイスなどのオリジナルと、スタンダードの有名曲を、ブラザー・デュオ・トラディションと、クラシック・カントリーの男女デュオのフォーマットをふまえた、優しく美しいハーモニーでしっとりと聴かせる作品に仕上げている。
●V.A. 『The Gram Parsons Notebook:The Last Whippoorwill』 SP-1223 CD \2,750
ウェスト・コースト・ミュージック・シーンに絶大な影響を及ぼし続ける故グラム・パーソンズに捧げるアルバム。グラム自身が72年から73年に書き遺した詩に友人たちが新たに曲を付けたもの、更には、その友人たちが彼にインスパイアされて作った曲という凝った構成となっている。グラムの死後、彼の未亡人から託されたノートブックからこのプロジェクトを立ちあげた、インターナショナル・サブマリン・バンド時代のパートナー、ジョン・ニュエスの企画を、カール・ジャクソンが実質的にすべてプロデュースしたこのアルバム、爽快感いっぱいのウェスト・コースト・サウンドに仕上げられ、耳馴染みのいいものとなっている。
●V.A. 『Transatlantic Sessions』 CM-2003 CD \2,750
タイトルからも明らかなように、アメリカ新大陸とそこに渡った人々の心の故郷、アイルランド、大西洋の両側に伝わるアメリカン・フォーク・ミュージックと、アイリッシュ・トラッドの密接なつながりを一望のもとに俯瞰してみせた、ジェリー・ダグラス・プロデュースの意欲作。ジェリー、ラス・バレンバーグ(g)、マイケル・ドゥーセ(f)らに、アイリッシュの名人たちを迎え、ヴォーカル陣にも贅沢な顔ぶれを配してのルーツ・リクリエイト・セッション。今更ながら、アメリカン・ミュージック、とりわけフォーク、ブルーグラスに色濃く影を落とす、アイリッシュ・ミュージックのもたらしたものの大きさが理解されようというものだ。